
2016年3月13日(日)、kim'sで初めての韓国伝統音楽の演奏会を行いました。カヤグム奏者、金オル先生とテグム奏者、李在洙先生のおかげで大入り満員の大盛況となりました。お客様にはかなり詰めて座っていただき、窮屈な思いをさせてしまいました。約1時間にわたる感動の演奏会の模様をご報告します。
初めての方でも楽しめる内容

韓国文化院でカヤグムの講師としても有名な金オル先生と、経験豊富な李在洙先生が始めて韓国の伝統音楽を聴く人にもわかりやすく丁寧にお話してくださいました。伝統的な楽曲と現代風の楽曲では同じカヤグムでも12弦と25弦があります。今回は2種類のカヤグムをわざわざ持ってきてくださりました。李在洙先生も韓国の横笛のテグム(竹笛)、改良されたクラリネットのようなチョッテ、さらには韓国の太鼓チャングまで持ってきてくださりました。
ここまで、詳しく教えてくださる演奏会もめずらしいですが、kim'sならでは。まずは楽器のことを学んでから演奏に耳を傾けます。
古典音楽から現代音楽へ

まずはカヤグム中心の古典中の古典音楽「カヤグム散調(チャンヂョ)」を演奏してくださいました。カヤグムの美しい調べと息のあったチャングの響き。金在洙先生のチュイムセという、日本では「合いの手」がまた素敵でした。まるで昔にタイムスリップしたような気分になりました。
次にカヤグム独奏「春雪」。まるで春に降る雪の美しい情景が目に浮かぶような、幻想的な響き。韓国独特の複雑なリズムが耳を惹きつけます。
主役はカヤグムからテグムへ。「タヒャン」のテグム独奏。竹で作られた笛の音はとても哀愁漂い、日本人にもなじみがある音色です。
中盤には、伝統音楽に代わり皆さんがご存知の「コンドルは飛んでいく」で盛り上がりました。カヤグムのリズム演奏と哀愁の漂う音色のテグムが会場を熱くさせ、お客様も手拍子で乗っていました。
盛り上がった空気の中でドラマ「イ・サン」のテーマ曲を演奏してくださりました。お客様もマッコリを飲みながら、まるで王様か王女様になったような気分に浸っておられました。
会場の空気がすっかり一体になったところで、5年経つ震災のチャリティー活動もされている金オル先生の計らいで「上を向いて歩こう」を会場のお客様も一緒に歌うことになりました。お客様も緊張がほどけ、大熱唱。
ラストは韓国と日本を「近くて近い国」にしたいという思いから「アリラン赤とんぼ」。会場は感動の涙で溢れました。
当日のセットリスト
- カヤグム散調
- 春雪
- タヒャン
- コンドルは飛んでいく
- イサン
- 上を向いて歩こう
- アリラン赤とんぼ
(文=金直佳 写真=Y.T.)