浅漬けキムチが日本人好み
当店は場所柄ほとんどが日本人のお客様です。そして日本人のほとんどの方が漬けたてのキムチが大好きです。発酵して酸っぱくなったキムチはあまり好みではない方が多いです。
塩漬けした野菜に、唐辛子やにんにく・しょうが・果物などで作られたヤンニョムを和えたものを「コッチョリ」と言いますが、この「コッチョリ」の状態が日本人は好きなようです。
韓国人は酸っぱいキムチが好き
一方、韓国では酸っぱくなるまで発酵したキムチの方が好まれます。というのも、韓国ではキムチをそのまま食べるのではなく、ごはんと一緒に食べたり、お肉と食べたり、またはチゲなど料理に使うことが多いからです。ほかの食材と食べ合わせると、この酸っぱいキムチが味に奥行きをあたえてくれるので味に深みが生まれて、たいへん美味しくなります。ちなみに韓国では酸っぱいキムチのことを「シンギムチ(신김치)」と言います。さらには日本の梅干のように十年もののキムチ「ムグンヂ(묵은지)」という高級食材もあります。ムグンヂの味わいは酸味を乗り越えて、逆にまろやかになり、より深い味です。
発酵キムチの乳酸菌はスゴイ!
乳酸菌といえばヨーグルトというイメージが強いかと思いますが、発酵して酸っぱくなったキムチには胃酸に負けないで腸にまで届く乳酸菌が豊富なんです。腸内環境を整えるのにピッタリの食材です。よく韓国人の肌はキレイと言いますが、朝昼晩とキムチを食べているので腸が整っているのかも知れませんね。
市販のキムチは発酵しない?
ただ残念ながら日本のふつうのスーパーに売っているキムチは発酵しないものがほとんどです。これは多くの日本人が浅漬けのキムチが好きなので仕方ないことかもしれません。発酵しないように、キムチに必要な魚介類がヤンニョムに含まれていないこともあります。
キムチがぬか漬けと異なる点は動物性のものが含まれている否かが一番の特徴といえるかもしれません。ぬか漬けも乳酸菌が豊富で体に良いことが知られていますが、キムチはアミ塩や魚醤など魚介系の動物性のものが含まれているのでよりビタミンB群が多いとされています。ただし、古漬けの酸っぱくなったぬか漬けが好きな方も多いですよね。そういう方は慣れれば発酵したキムチも好きになってくれるかも知れません。
若い日本女性は発酵キムチの味を知っている
長年お店を経営していて変化に気づいたのですが、最近は古漬けキムチをあえて注文する若い女性が増えてきています。美意識高い女性は韓国料理が美と健康に良いと知って、かなり韓国料理通な方が増えたことが如実にわかります。キムチが本当に日本に浸透してきたのか、若い女性の舌に合うのかわかりませんが、当店のキムチをネット通販で購入される方もあえて発酵してから食卓にあげる方も結構いらっしゃるようです。健康によく、深い味わいで美味しい発酵キムチ、ぜひお試しください。